HIVに感染した献血者の血液を輸血された男性がHIVに感染するというニュースが大々的に報道されました。

そしてその後HIV検査キットの売り上げが3倍に増えているそうです。その理由とは?

2013年11月25日、全国版のテレビ、新聞、ネットメディアで大きく取り上げられたのでこのニュースはすでにあなたもご存知のことでしょう。

でももしかしたらまだ詳しくご存知ないあなたもいるかも知れないので、ここで簡単に経緯を振り返っておきます。

そして、このニュースから見えてくるもの、それはHIV検査キットの役割です。

◇こうして輸血によるHIV感染者が発生した

私がニュースで知った事実を時系列で書きます。(2013年12月1日時点のニュース報道による)

また、補足情報も付け加えてあなたが理解しやすいように説明したいと思います。

●2013年2月、40代の男性が献血を受ける。この男性は献血2週間前に別の男性と性行為を行っていた。しかし、献血前の問診ではその事実を隠してウソの申告をした。

 

●血液センターでは献血前に問診を行い、いくつかの質問を行っている。その中に、

「献血前6ヶ月以内に男性同士の性行為を行ったか?」

という問いがある。該当者は献血をすることができない。これは、日本国内において男性同士の性的接触が最大のHIV感染ルートになっているためである。

従って今回の男性も正直に問診に回答していれば献血を受けることは出来ず、HIV感染も発生していなかった。

 

●実はこの40代の男性は献血を受けた時点ですでにHIVに感染していた。

しかし、感染後間もなかったためウイルス量が少なく、血液センターの抗体検査、NAT検査をすり抜けてしまった。

NAT検査とは、Nucleic acid Amplification Test の略で核酸増幅検査のことです。HIVの遺伝子を人工的に何万倍にも増幅させ検出する方法です。

微量のHIV遺伝子でも精度よく見つけることが出来ます。

 

●そしてこの男性は2013年11月に再び献血に訪れる。しかし、今度は感染後9ヶ月以上経過していたため、献血後のHIV検査で陽性判定が出る。

 

●血液センターではこの男性が2月にも献血を受けていることを確認し、保管してあった2月採血の血液を再検査した。

今度はNAT検査を3回行い2月時点でHIV陽性であったことが判明した。

 

●この2月に献血された血液がどうなったか日赤が確認したところ、すでに60代の男性と80代の女性に輸血用の血液として使われていたことが分かった。

そして、60代の男性はHIVに感染していることも分かった。80代の女性は感染していなかった。

 

●40代の男性は2月の献血で問診にウソの回答を行っていることから、献血をHIV検査代わりに使った可能性が高いとみられている。(実際には献血はHIV検査代わりにはなりません)

 

●今後の再発防止策として、問診の強化、HIV検査の精度アップ、保健所でのHIV検査の利便性向上、などが指摘されている。

 

ざっとこんな感じです。

◇元々献血にはHIV陽性が発生していた

実は献血で集めた血液からHIV陽性が見つかることは以前からありました。下のグラフをご覧ください。

厚生労働省エイズ動向委員会のデータを基にグラフ化したものです。

献血件数とHIV陽性件数の推移
グラフ1.献血件数とHIV陽性件数の推移

日本では1986年から献血で集めた血液のHIV検査が始まりました。そして1999年からNAT検査を導入し、HIV感染早期でも高精度に検査が出来るようにしました。

更に2008年、検査設備を新しくすると同時に設置場所も増やしました。

北海道、東京、京都、福岡の4ヶ所の血液センターでNAT検査が可能になったのです。

1999年のNAT検査導入時期には一度に50人分の血液を検査していましたが、2003年に今回と同じような献血によるHIV感染が発生したため、2004年以降は一度に20人分の検査に変更となりました。

検体数を減らすことで検査精度を高めたのです。

そして2004年から今回の2013年まで、献血が原因のHIV感染は発生していませんでした。

ちなみに過去のHIV感染発生状況は以下の通りです。

●1997年 1件

●1999年 2件

●2003年 1件

●2013年 1件(11月25日現在)

となっています。(国立感染症研究所ホームページより)

グラフからもお分かりのように毎年献血で集まった血液からHIV陽性は見つかっているのです。

現在、日本では毎年新規のHIV感染者が1500人くらい見つかっています。

その発見される割合と比較すると、献血で見つかっている割合は2倍も高いそうです。

それはHIV検査目的で献血を利用している人がいるからではないかとも指摘されています。

今回のHIV感染発生を受けて、血液センターではNAT検査の完全個別化も検討しているそうです。

つまり、20人分から1人ずつの検査へ移行するかも知れないということです。

それでもHIVに感染した直後に献血を受ければNAT検査をパスする可能性は消えません。

今の検査技術では100%安全は無理なのです。

従って献血を受ける人の倫理観に訴えることも已む得ない状況です。

オーストラリアなどでは献血の問診でウソの申告をすると罰せられるそうです。

日赤関係者の話では、ただでさえ国内の献血件数が減っている折、善意の献血者まで疑うとますます輸血用の血液が足りなくなる恐れがあり、頭の痛いところだそうです。

◇自宅で使えるHIV検査キットの役割

では、そもそもなぜ献血をHIV検査代わりに使おうとする人がいるのでしょうか?

献血はHIV検査代わりにはならないのに。最も根本的な問題はそこですね。

保健所に行けば無料・匿名でHIV検査が受けられます。万一HIV陽性と分かっても専門家がフォローしてくれます。

しかし、保健所は原則平日の昼間しか利用できません。休日や夜間は利用出来ないのです。

仕事が忙しい人にはなかなか利用できないかも知れません。

しかも、保健所は匿名検査といっても無人検査ではなく対面検査です。他の職員や利用者もいます。

それゆえ世間体を気にして保健所には行かない人も多くいます。

そうしたことがHIV検査に保健所ではなく献血を利用する人を生んでいる背景と考えられています。(何度も書きますが、献血は保健所の代わりにはなりません)

もしもあなたが保健所や病院に行けない事情があるなら、どうか献血を利用するのではなく自宅で使えるHIV検査キットを使ってください。

HIV検査キットならあなたの都合のいいときにいつでも利用できます。しかも完全匿名検査が可能です。

2013年12月1日付の読売新聞社会面によると、今回のHIV感染が報じられてからあるメーカーでは検査キットの販売個数が3倍に増えているそうです。

それはHIV感染が不安な人が、献血に行くのを止めて検査キット購入にしたからでしょうか。

それなら検査キットが有効に機能している証拠であり結構なことだと思います。

あるいは、今回の大々的なニュースを見てHIVやエイズそのものに関心を持った人が増えて検査キットが売れたのかも知れません。

いずれにしてもHIV検査を受けるための選択肢が増えることは、それだけ受検者が増えることにつながると思います。

献血の安全性を高めつつ、HIV検査の受検数を増やす、そのことにHIV検査キットが役だっているのです。

最後になりますが、どうかあなたはHIV検査目的の献血は絶対にしないでください。

献血はHIV検査の代わりにはなりません。

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